家主さん2

やぬさんは何にでもなることができた。ご飯屋さんはご飯を作ってくれる。お風呂屋さんは私の髪と体を丁寧に洗ってくれる。私が一番好きなのは、抱っこ屋さんになったときのやぬさんだ。やぬさんの膝に座り、首に手を回す。頰と頰をくっつける。やぬさんの髪…

家主さん

あの人のことを本当に書けるだろうか。一緒に暮らしていたやぬさんのことを。やぬさんは働かない彼氏だった。いつも家に居た。パチンコ屋で働く私の帰りを、家でただ待っているような彼氏だった。私は仕事からの帰り道、必ずコンビニへ立ち寄った。やぬさん…

2人目を産みたくない理由

初めに申し上げておきますと、私は別に一人っ子最高!とか、一人っ子しか認めない!とかそういう偏った気持ちを持っているわけではありません。子供を産むか産まないか、何人産むかはその家庭それぞれの事情や考え方があると思います。あくまで私が、私個人…

私が母より娘を選んだ日④

母は警察で、私に暴行を受けたと訴えた。私も警察へ行き、事情を説明した。母は私を起訴して、慰謝料をもらい、借金を返済するつもりのようだった。また、ストレートに、借金を私が完済するなら起訴しないとも言ってきた。旦那と祖父と、弁護士さんに相談に…

私が母より娘を選んだ日③

それから私は旦那から寝室へ連れて行かれ、ベッドに寝かされた。娘の胎動が激しかった。旦那と祖父と母は、リビングで話をしていた。途中から職員の方に電話を繋ぎ、次の日の昼に祖父、母、職員の方で今後の返済スケジュールについて話し合うことが決まった…

私が母より娘を選んだ日②

娘を妊娠し、安定期を過ぎた頃、職員の方から連絡があった。母の携帯が繋がらない、利用停止の状態になっていると。職員の方が母の職場へ行き話をすると、母はブスっとした顔で、「残りは娘が払うことで話がついていますから、今後は娘に取り立てて下さい」…

私が母より娘を選んだ日①

母から虐待されていたことに気付いたのは、娘を身籠ってからだった。つまり私は両親が離婚してから母に引き取られ、28歳で妊娠するまでずっと、ずーっと被虐待児である自覚が無かったのだ。むしろ母が大好きで、母からどうにかして愛されたい、母に褒められ…

ド下ネタ

どうしてあんなに若い頃は、熱心にセックスの準備が出来たのかと思う。付き合っている人ならまだ良い。付き合ってもいない人とセックスをする為だけに、下着を選んで一番お気に入りの服を着て、念入りに化粧をして香水までつけていた。どうせ服や下着は脱ぐ…

1008

今日は娘に苺柄の服を着せている。妊娠初期の一番ナイーブだった時期、私はなぜか子供の性別は男の子だと疑わなかった。子供服屋の店頭に並んでいる苺柄の抜群に可愛いワンピースを見て、これがとても欲しいけれど男の子だからな、とため息を吐いたりした。…

妊娠中期の思い出

中期になると体調と気持ちがぐっと落ち着いて、また毎日楽しくなってきた。性別が女の子と分かったときはとても嬉しかった。この頃には里帰りをしないって決めていたから、生協に加入したり、ワンオペ育児している人のブログを読み漁ったりしてた。スイカと…

妊娠初期の思い出

妊娠が発覚し、心拍を確認して間も無く、悪阻がスタート。吐き悪阻でした。ポカリをひたすら飲んでました。あと口にできたのはガリガリくんみかん味。少しマシになってからは、メロンパン、せんべい、飴を食べてました。仕事はあまり休まなかった気がする。…

2

仕事の帰りに、古い友人とばったり遭遇した。高校時代に大好きだった友人で、20代前半の頃、自然と音信不通になっていた。都会で働いていたけれど、最近地元に帰ってきたと言う。連絡先を交換し、ゴールデンウィーク中に会う約束をした。私はもう、高校時代…

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ここ数日、みつば(娘)が産まれて初めての風邪を引いていました。こんなときに夫は火曜日まで不在。一人で看病ができるかなって不安に思っていたら、夫が義両親に連絡をしてくれました。娘と一緒に義実家へ行き、症状が緩和するまで滞在させてもらいました。…