ド下ネタ
どうしてあんなに若い頃は、熱心にセックスの準備が出来たのかと思う。
付き合っている人ならまだ良い。付き合ってもいない人とセックスをする為だけに、下着を選んで一番お気に入りの服を着て、念入りに化粧をして香水までつけていた。
どうせ服や下着は脱ぐし化粧は色々舐めたり擦ったりでぐちゃぐちゃになるし、香水なんかセックスをする前のシャワーで落ちる。
裸になっても残るのは、手足のネイルくらい。
冬にするセックスの、ペディキュアが厭らしくて好きだった。冬は寒いから。タイツを履くから。靴下を履くから。私は一人暮らしだから。私がペディキュアをしていることに気付けるのは、セックスの相手だけだから。
とにかく私はセックスの準備に励む。セックスをする日は朝から飲み物しか摂らない。少しでもお腹をペタンコにしておく為に。
あと、喉の奥まで入っても嘔吐しにくいように。
そうしてようやくありつくセックスは、大して気持ち良くもないし、楽しくもない。入れて出して入れて出して入れて出して、最後に出して終わり。
たまに最後まで出さない人もいたけれど、それはそれで面倒臭い。終わりが見えないからきつい。
どうしてあんなにセックスを頑張っていたのか、今はもう分からない。ちょっと馬鹿だったんじゃないかなと思う。
ちょっと馬鹿だったってことが分かるだけ、正気に戻ったんだと思う。